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私の留学レポート:ルーマニア?ブカレスト大学?高島 有紗さん(3)~
国際教養大学では1年間の留学が必須となっています。語学留学ではありません。専門科目を現地の学生と共に履修し、本学での卒業単位の一部として認められる必要がある、「本気」の留学。学生が、それぞれ深めたい学問分野に応じて200以上ある海外提携大学の中から選択します。良いことばかりじゃない、ときには苦しいことや辛いこともあるのがAIUの「本気」の留学です。ここでは、そんな学生一人ひとりのストーリーを自身の言葉でレポートしてもらいます。
今回は、ルーマニアに留学した高島 有紗(たかしま ありさ)さんのレポート最終回をご紹介します。
こんにちは! ルーマニアのブカレスト大学に留学しました、高島 有紗です!帰国から1カ月が経過しました。最後のレポートでは、日本から留学を振り返ります。
知らなかった土地が知っている土地に
留学をして良かったことは、全く知らなかったルーマニアという国に少しだけ詳しくなれたこと、馴染みのなかった土地に居心地の良さを見つける経験ができたことです。
最初の学期は右も左もわからず、寮のキッチンの使い方やゴミの捨て方、切符の買い方など、何でも人に聞いていました。しかし2学期目になると、新留学生に履修登録の方法や定期券の作り方を教え、お気に入りのカフェを紹介できるようになりました。他にも、留学当初は現地の友人に案内してもらっていた観光地に、他の留学先や日本から会いに来てくれた友人や家族を連れていけるようになりました。
とはいえ、ルーマニア?マスターになれた訳ではないので、今後も何かしらの形でルーマニアと接点を持ちたいと考えています。
今後の目標
留学中は、政治や国際関係論の授業を履修しました。まずは来学期、学んだことを活かして、自分が納得できる卒業論文(リサーチペーパー)を完成させることが目標です。留学を終えた今でも、英語に対する苦手意識は消えていませんが、今後も必ず使い続けたいと思うようになりました。長い時間をかけてゆっくり、着実に成長したいです。留学に行く前は想像できなかった他国での暮らしは、思った以上に楽しく、面白かったです。もっと外国に行ってみたい、他の国でも生活してみたいとも思うようにもなりました。
いつかもう一度
たった9カ月の留学生活でしたが、多くの変化がありました。小さな出来事では、寮の近くに新しいパン屋さんがオープンした一方、好きだったコーヒーショップが閉店してしまいました。また、大学の女性用トイレには生理用ナプキンが置かれるようになり、「生理について考える」ことへの関心の高まりを感じました。
国全体の変化としては、2024年3月末からルーマニアがシェンゲン協定に一部加盟し、空港で欧州連合(EU)加盟国向けの出入国審査がほとんど廃止されたため、国外への移動が楽になりました。また同年6月には10回目の欧州議会選挙が大々的に実施され、EUの影響力の大きさを体感しました。
数年後、数十年後にルーマニアで見られる光景は、私が経験したものとは大きく変わっているかもしれません。自分の目で確かめる意味でも、またいつか必ずルーマニアを訪れ、留学中に行けなかった地域にも立ち寄りたいと思います。
国際センターからひと言
「外国に行ってみたい、他の国でも生活してみたい」という一言は、よくある表現のようにも感じられますが、高島さんが受験生だった4年前、世界中の交通が止まり、日本国内の移動でさえ制限され、高校にも毎日通えなかった日々があったことを思えば、実は非常に重い一言であると気づかされます。海外への憧れを口にすることがためらわれた時期もあったことでしょう。そんな中、AIUに入学し、ルーマニアという馴染みの薄い国に飛び込み、外に目を向け続けた姿勢に拍手を送りたいと思います。
英語版ウェブサイトでは、留学生たちの本学での留学体験記を「Student Voice」として紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。