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私のオススメ授業紹介: 地域発展論(清水 悠貴さん)
国際教養大学(AIU)の際立った特長の一つが「すべての授業を英語で開講していること」です。ただし、本学は「英語を学ぶ大学」ではありません。「英語で学び、英語で考える大学」です。
また、本学は一貫して少人数教育を徹底しています。教員と学生のコミュニケーションの機会を増やすことにより、自ら考え、意見を主張できる能力を磨くことを目的としています。
この「私のオススメ授業紹介」では、学生自身が「おもしろかった!」「ためになった!」「ぜひ受験生のみなさんにも学んでほしい!」と思った授業を、学生自身の言葉で紹介する企画です。
今回は清水 悠貴(しみず ゆうき)さんのオススメ授業第3弾をご紹介します。
皆さんこんにちは!留学も残り1カ月ほどとなった、2022年入学の清水悠貴です!学生の視点からイチオシ授業を紹介する「私のオススメ授業紹介」。全3回の最終回となる今回は「地域発展論」を紹介します!
科目情報
SOC285 地域発展論
教員:椙本 歩美 准教授
単位数:3単位
選んだ理由
この授業を履修したのは1年次の冬期プログラムでした。その頃はまだいろいろな分野に興味があり、幅広い範囲の授業を履修しようと計画していました。色々な授業の中でも内容に一番惹かれたのが「地域発展論」でした。全国の都道府県の中でも特に過疎化が進んでいる秋田県で地域発展論を学ぶ機会はとても貴重だと感じ、履修を決めました。
この授業のオススメポイント
コミュニティとはあなたにとってどういうもの?
地域発展を考える上で非常に大切な社会学上の概念である「コミュニティ」。私はこの授業を履修する前、「コミュニティ:地域発展に必要なもの」という漠然とした概念を持っていました。
授業の冒頭で先生が仰ったのは「まず、あなたにとってコミュニティとは何でしょう?」という質問でした。自分自身にとってのコミュニティとは何かを再認識しつつ、学生それぞれが挙げたコミュニティの相違点と類似点を洗い出し、そこから社会学の理論や概念と結びつける作業を通して、漠然とした概念としてではなく、具体的な例とともにコミュニティを理解することができました。
私にとって地域発展論は初めて学ぶ社会学分野の授業でした。私自身、社会学の理論を学ぶことには興味があったので、このような対話を行うことができる授業は非常に楽しかったです。また、身の回りの具体的な問題から社会学の理論的思考を広げていく流れも、履修していた時はとても新鮮なことでした!
理論と現場
この授業は全15回ですが、前半部分は基本的に地域発展に関わる社会学の理論や概念について学習していきます。後半部分はフィールドワークとして秋田の地域住民が運営しているアートサークルの活動に参加させていただきました。
フィールドワークでは地域のアートサークルの活動に実際に参加し、パステル和アート(パステルを画材としたアート)作りを体験しました。アートサークルには秋田市役所の方なども参加していて、地域の方々と交流しながらアート制作を体験しました。
地域発展論の授業内では生涯学習と地域発展の関係性について学習しており、「生涯学習への参加が地域発展へと繋がるのではないか」ということを意識していました。
フィールドワークに向かう車内で、椙本先生は「授業で学んだことと実際の現状にはギャップがある。それをフィールドワークで肌で感じてどうすればいいかを考えてほしい」と仰っていました。そこで、授業内で学習した内容「生涯学習への参加が地域発展へと繋がるのかどうか」と、実際に生涯学習と分類できるパステル和アートの現場での様子に違いはあるのだろうかと思い、参加者の方に「何か(パステル和アートなど)を学びたくてこのアートサークルに参加しているのですか?」と聞いたところ、「ただ、皆さんとパステル和アートをしながら世間話をするのが楽しくて参加しているんですよ」という回答をいただきました。
この会話を通して「学び続ける姿勢や行動とコミュニティの形成?地域発展の関係性」という理論と、「楽しいからコミュニティに参加する」という現場の声とのギャップを痛感しました。
大学の授業で学ぶことも非常に大切ですが、それと同じくらい、現場を自分の目で見て、耳で聞いて、肌で感じることの大切さを強く感じたフィールドワークでした。そしてこの経験から私は「このギャップはどのようなことを意味するのか?」「自分がコミュニティ開発を行っていく場合、目的?手法はどのようなものを使用するのだろうか?」ということを深く考えるきっかけとなりました。社会学、その中でも地方創生?地域発展の奥深さが如実に出た貴重な経験だと感じます!
この授業をオススメしたい人
もちろん地方創生に興味がある方には強く進めたいですが、それだけではなく「社会とは」「コミュニティとは」について考えてみたい方にもオススメしたい授業です!社会学の序論でも「社会とは」を考える一つのきっかけになります。しかし、この授業では考えるきっかけだけには留まらず、「それって実際にそうなの?」という視野から、差異を認識し、より深く考える機会を得られます。一地方のコミュニティも大きな社会を形成する集団の一つです。ぜひ地方のコミュニティという身近な窓から大きな社会を見てみませんか?