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私のオススメ授業紹介:バイオテクノロジー演習(本田 千絃さん)
国際教養大学(AIU)の際立った特長の一つが「すべての授業を英語で開講していること」です。ただし、本学は「英語を学ぶ大学」ではありません。「英語で学び、英語で考える大学」です。
また、本学は一貫して少人数教育を徹底しています。教員と学生のコミュニケーションの機会を増やすことにより、自ら考え、意見を主張できる能力を磨いてもらうことを目的としています。
この「私のオススメ授業紹介」では、学生自身が「おもしろかった!」「ためになった!」「ぜひ受験生のみなさんにも学んでほしい!」と思った授業を、学生自身の言葉で紹介する企画です。
今回は本田 千絃(ほんだ ちづる)さんのオススメ授業をご紹介します。
皆さん、こんにちは。本田 千絃です。今回紹介するオススメ授業は「バイオテクノロジー演習」です!
科目情報
- BIO205 バイオテクノロジー演習
- 教員:アンディ?クロフツ 教授
- 単位数:3単位
この授業を履修したきっかけ
高校の時から生物学には興味がありました。もともと理系専攻だったこともあり、大学ではより実践的に研究を行ってみたいと考えていたことから、この授業の履修を決めました。
授業内容
この授業は他の授業と比較して、その中身やスタイルが大きく違います。まず、固定の授業時間はなく、私は冬学期に履修したために、週10時間実験室に行き、研究を行いました。もう一つの大きな特徴である授業内容としては、はじめに3Dプリンターとmicro:bit(プログラミング教育用の超小型コンピューター)の使い方を学びます。この2つのツールを使いこなせるようになった上で、ミドリムシを使った自分の実験の内容、目標を定めて実験計画を立てていきます。学期末に、実験結果のまとめとしてプレゼンテーションを作成するため、日々の実験の記録も欠かせません。このクラスはとても少人数(受講人数:4名程度)で、アンディ先生も親身になって実験をサポートしてくださります。
トライアンドエラーの繰り返し
私はこの授業を通して、ミドリムシが光の色の違いを認識し、その違いが光合成や成長度合に影響を与えるのかを実験し、調査しました。アンディ先生は私の実験計画を聞き、アドバイスをくださいますが、基本的には自分で計画を立て、自分で実験を進めていきます。そのため、何度も失敗を繰り返しました。例えば、初めは光の色を変えるためにカラーフィルターを使用していましたが、フィルターの厚さや大きさによって発出する熱の量が違ったり、記録を撮るカメラがうまく作動せず二晩分の実験が全て水の泡になったりしたこともありました。そんな中でも、自分のできる範囲で小さな工夫を凝らして一つ一つ紐を解くように解決していく過程はとても充実していて楽しかったです。一つひとつの努力と工夫の積み重ねが、最終的に実を結んで求めていた結果が得られた時はとても嬉しく、また更なるモチベーションへと繋がりました。このトライアンドエラーのステップが、実験を自分で組み立てて実行するプロセスに大きく役立ちました。
英語で伝えることの難しさ
前回の記事で少し触れましたが、私は英語がそこまで得意というわけではありません。この授業は通常「BIO100 生物学入門」を取ってからの履修が望ましいのですが、私の履修計画的にそれが難しかったため、先にこの授業を履修しました。そのため、生物学の専門用語や学問用語を英語で覚え、使うことにとても苦労しました。実験の計画や結果、考察を先生とお話ししながら情報を整理し、考察を発展させていきますが、自分の語彙の少なさや、うまく説明できないもどかしさを何度も痛感しました。その都度、参考文献を読み、分からないことはアンディ先生に質問しながら、諦めずに説明する演習を繰り返していくことで、だんだんと伝えたい内容をまとめて説明することができるようになりました。
3Dプリンターとプログラミング
この授業では、実験器具の作成などに3Dプリンターと簡易的なプログラミングを使うことができます。私は実際に光の明滅と色を時間ごとに変化させるプログラムを作成し、その実施経過を観察しました。プログラミングは以前に別の授業で少し触れたことがあるものの、初めて使った時は電源すらうまく付けられず、軽く絶望した記憶があります。そんな私でも最終的にはほぼミスなくプログラムを作成できるようになりました。3Dプリンターは今回それほど使用しなかったものの、今まで自分で作ったことのない立体的なものを、わざわざ機器を購入したり、大きな器具を使用しなくても作成できることが分かり、とても面白かったです。
この授業は、普段の授業とは一味違う、自分で考えて、試して、振り返って、というプロセスを実践してみたい人にオススメです。度々うまくいかない事象に遭遇し、ストレスを感じることもあるかもしれませんが、AIUで培ってきた考え方や学ぶ意欲をこの授業で存分に活かすことができるはずです。普段の授業ももちろん学びが多く、知識や考え方を広げてくれますが、このような実践的な授業だからこそ得られるものもあると感じました。
アンディ?クロフツ先生からのメッセージ
この科目の主な目的は、体験型の科学的探求を通して、学生自身が生物学的な疑問を持ち、その答えを求める機会を提供することです。実験の自動化をサポートするプログラミングだけでなく、コンピュータ支援設計や3Dプリンターの使用により、科学的手法の文脈における創造性が養成されます。最も重要なのは、科学的探究の反復プロセス(観察、仮説、実験)とデザインサイクル(設計、構築、テスト、学習)を結びつけることで、学生たちは独自の実験設計を完全に実現するためのツールを手に入れることができます。もちろん、千絃さんが経験したトライアンドエラーの繰り返しも、エキサイティングな発見の旅には欠かせない経験です。
※実際のコメントは英語ですが、ここでは要約した日本語を掲載しています。