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私のオススメ授業紹介:国際環境科学(井上 晃利さん)
国際教養大学(AIU)の際立った特長の一つが「すべての授業を英語で開講していること」です。ただし、本学は「英語を学ぶ大学」ではありません。「英語で学び、英語で考える大学」です。
また、本学は一貫して少人数教育を徹底しています。教員と学生のコミュニケーションの機会を増やすことにより、自ら考え、意見を主張できる能力を磨いてもらうことを目的としています。
この「私のオススメ授業紹介」では、学生自身が「おもしろかった!」「ためになった!」「ぜひ受験生のみなさんにも学んでほしい!」と思った授業を、学生自身の言葉で紹介する企画です。
今回は井上 晃利(いのうえ あきとし)さんのオススメ授業をご紹介します。
皆さん、こんにちは。井上 晃利です。今回紹介するオススメ授業は「国際環境科学」です!
科目情報
- ENV320 国際環境科学
- 教員:名取 洋司 准教授
- 単位数:3単位
履修のきっかけ
この科目は以前に受講した「ENV100 環境科学」の担当教員である名取先生に勧められて履修しました。ENV100を踏まえて、環境問題へのより深い視野、具体的に我々にはなにができるのかという事例検証、そして授業でのディスカッションを通じて幅広い知見を得たいと思いました。
オススメポイント
グローバルスタンダートなトピックへの挑戦
1つ目はディスカッションの幅広さと質の高さです。まず授業では、ENV100を履修したことを前提に、より深掘りした内容が取り扱われます。環境、気候変動、生物多様性、SDGs、CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)、サプライチェーンと外部性、そして政府の環境保全活動など、様々なステークホルダーに関わるトピックが多いため、いろいろな立場や視点からの考えに触れることができます。一緒に授業を受けている留学生は全く違う社会環境、自然環境で生活してきたため、日本に住んでいた人には思いつかないような意見や考えばかりで、授業中のディスカッションがとても有意義で興味深いです。
自然環境は、世の中すべてのものの基盤です。専門分野が違っても、それぞれの学生がそれぞれのバックグラウンドに基づいた視点を持つことができるため、多様な考えが溢れる活発な授業展開でした。日本の基準から飛び出したグローバルスタンダードなトピックと内容に、どこまで自分の考えを到達させることができるかを試すこともできるため、環境問題に興味がある人も、専門分野が異なる人にもオススメしたい授業です。
理論を自分の目で確かめられる
2つ目は、講義で学修した内容をフィールドワークを通して実際に目で確認できることです。実際に十和田湖に行き、国立公園で実施している地域経済と環境保全について、環境省のレンジャー(自然保護官)の方から現状と課題を伺う機会があり、国立公園を散策して多角的な取り組みの実例を学びとりました。また、青森県六ケ所村にある日本原燃六ケ所原燃PRセンターでは原子力燃料の再処理について学びました。政府、市民、企業と様々な立場の人が関わっているからこそ、本当にそれは環境保全のためなのか、経済のためなのか、自身の利益のためなのか、複眼的な視点が芽生えました。理論だけで終わらず、実際の現場を見たからこそクリティカルな視点で考えることができたのは、本当に有意義な時間でした。フィールドワーク後は旅館に泊まり、修学旅行のようににぎやかに過ごす時間が持てたのも楽しかったです。
環境自体はこの地球上に存在するすべての土台であり、関係ない人はいないと思っています。政府、市民、企業をまたぐ環境問題、科学的な観点、倫理的な観点、そして経済的な観点、さまざまな角度から環境問題を見るため、とても学際的な科目であるといえます。そういった意味でこのENV320 国際環境科学は皆さん、特に基礎のENV100を履修した学生にはぜひオススメしたい科目です。
名取 洋司先生からのメッセージ
この科目では、レクチャー半分、学生主導のディスカッション半分で環境分野の重要な課題について理解を深めます。10月には、週末泊りがけのフィールドトリップでキャンパスを出て、国立公園を直接体験したり、原子力再処理施設で解説員の説明を聞いたりします。環境について考え、解決に取り組むことの重要性、必要性、楽しさを伝えられたらと思っています。