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米国?ワイオミング州知事室でのインターンシップに本学学生が参加
外務省による「平成28年度日本人学生のインターンシップ支援?日本人研究者育成支援事業」の一環で、2017年1月から約2カ月間、ワイオミング州政府の州知事室でのインターンシップを経験した本学学生の白井優毅さんからお話を聞きました。
この事業に応募したきっかけは何ですか?
大学では国際政治学を勉強しているのですが、「政治で誰が幸せになるのだろう」「政策決定者はどのような思いで日々仕事しているのだろう」と勉強だけでは理解しきれない疑問をずっと持っていました。いつか実際に政治の最前線に飛び込んで、肌で学びたいと考えていたので、Facebookを通じてこのプログラムを知った時、すぐに応募することにし、派遣先としては政府機関を志望しました。
通常、米国の政府機関で働くには米国籍が必要なのですが、2015年度のワイオミング州知事による外務省訪問がきっかけとなり、今回のワイオミング州知事室への学生派遣が実現したようです。この素敵な縁に恵まれたことには感謝してもしきれません。
インターンとして、実際にどのようなことを経験しましたか?
ワイオミング州では冬の2カ月間のみ州議会が開かれます。私が派遣されたのはちょうどその期間にあたっており、州知事室は日々の仕事に加えて、500を超える法案を吟味する多忙な時期でした。
私も、法案の審議内容や進捗状況を整理したり、各種会合や出張に同席したり、また、州が日本と連携して現在進めている経済政策の立ち上げを言語面でお手伝いしたりと、主に州知事室の皆さんの仕事がスムーズに回るようにお手伝いしました。
特に印象に残っていることなどあれば、ご紹介ください。
2点あります。
ひとつはCCSU (Carbon Capture, Storage, and Utilization)という、排出された二酸化炭素を収集し、それを最終的にはテニスラケットや建築材料に変換するためのプロセスと技術です。ワイオミング州では州内企業の売上の約60%をエネルギー産業が占めていることもあり、環境保護に対する意識が高く、官民一体となってCCSUの実用化に向けた開発を進めています。技術開発の最先端を走る研究施設を上司と共に見学させてもらいましたが、二酸化炭素を原料にして作られた靴やTシャツなど、数多くの日常品が
展示されており、とても驚きました。もうひとつは、銃規制についてです。ワイオミング州は「全米一銃に優しい州」と言われており、多くの人が銃を常時携帯しています。今年の州議会で審議された「大学構内での銃保持を許可する法案」が、まさにワイオミング州の銃社会を象徴しています。日本では、危ないものは取り上げるという考えの方が一般的ですが、ワイオミング
州では銃乱射などの事故や犯罪を防ぐ抑止力として、より多くの人が銃を保持することを推奨しています。上記の法案は否決されましたが、この法案に関する400通ものクレーム対応に毎日追われるという、普段できない体験をすることができました。
インターンを通じて感じたこと、学んだことを教えてください。
政治や社会の複雑さを初めて体感し、希望を失う事も多々ありましたが、それらの困難から逃げずに向き合ったことで、自分の理想の大人に一歩近づけた気がします。州知事を始め、ワイオミング州で出会ったかっこいい大人たちはこれからも私の目標です。いつかまた彼らと再会した時に成長した姿を見せられるよう、今後も邁進したいと思います。
他の学生たちがワシントンD.C.やニューヨークなど華やかなイメージのある都市部に派遣される中、私だけ、名前を聞いたこともなかったワイオミング州に派遣が決まった当初は、正直だいぶ肩を落としました。しかし、2カ月間の滞在を経て、私はワイオミング州が大好きになりました。(日テレの)アナザースカイに将来出演できるのならば、必ずワイオミング州をロケ地に選びます(笑)。
ぜひ、後輩たちに一言。
自分の好奇心の赴くままに、やりたいことを存分に楽しんでください!インターンシップを必ずしないといけない訳ではありません。しかし、もし自分の興味のあるものが見つかったら、ためらわずに挑戦してみてください。きっと、自分が本当に追いかけたいものが見つかるはずです。
今年度も外務省で同様の事業が行われるようなので、興味がある人はぜひ!
平成29年度日本人学生のインターンシップ支援事業(外部リンク)
ありがとうございました。
今後もAIU Topicsでは課外/課内を問わず学生たちの活動をご紹介していきます!